介護の話し、随分と間が空きました。人(介護士・メイド)の4回目になります。心の面で、フィリピン人が介護士の資質があると以前書きましたが、今日は、ある1点に絞って話したいと思います。
それは、下の世話 です。
重介護にどうしてもつきものの、下の世話。 小便・大便です。 人間が生きている限り、この営みは止むことはありません。
母は、夜だけ大人用のオムツをしますが、昼間はオマルで行います。本人の尿意・便意がはっきりしていればいいのですが、うちの母の場合は、これがはっきりしない。つまり、本人の尿意・便意の感覚が、かなり麻痺していると思います。 必然、排泄の失敗が起こります。 いわゆる 『たれる』 ということです。ベッドやシーツを汚すことはしばしば。 そして、朝起きてオムツを外すとき、小便は仕方ないのですが、大便までしているときがあります。
はっきり言って、臭いとの格闘です。 私なんかは、全くの苦手なので、おえっ! となって、もうたまりません。 介護という仕事の、もっともやっかいな仕事だと思います、この下の世話。
フィリピン人の介護者の重要な、資質として、 『下の世話を気にしない』 、というのがあると思います。 これは、小さなことではありません。 とても重要なことです。 彼ら、あんまり気にしないのです。人を使う身の私からすると、非常にたすかります。
例えば、『ウンチで手が汚れる』。 私なんかは我慢できません。 でも、フィリピン人、とくにオバサン介護者は、平気な人が多い。 人を雇うときに、いつも警告するのですが、介護の仕事に下の世話はつきもの、大便の後始末など、出来ますか? と。 フィリピン人の答えは、たいてい、『それがどうした?』 みたいな感じです。 気にしないのです。
これは、何故かと考えてみました。
答えは彼ら自身のトイレの仕方にあると思います。 フィリピン庶民はトイレットペーパーを使いません。 使うのは、水・石鹸、それと手。 用を足したあと、水でじゃぶじゃぶ洗うのですね。 石鹸を使うのはまだいいほうです。 水と手だけの人も多いと思います。 私なんかは、排泄した自分のお尻を手で洗うなんて考えられませんが、ここの人は皆そうします。 手は洗ったらしまい、手で排泄の処理をすることは、毎日のことなのです。
話しは脱線しますが、日本ではウォシュレットがかなり普及してますが、それは何故でしょう? 乾いた紙で、お尻をゴシゴシするだけより、清潔だし気持ちいいからではないでしょうか? ここの人は、手動ウォシュレットをずっとやっているのです(笑)。 絶対にそのせいだと思いますが、ここフィリピンでは、 『痔』 というのを聞いたことがない。 よく考えてみたら、ウォシュレットを使用しない日本人の紙だけスタイルは不潔ですよ。 水と石鹸で洗うほうが、はるかに清潔。 気にしなければ。
いずれにしても、下の世話を、こころよくやってくれる。 これは、本当にありがたい。
細かいことのようですが、介護の経験のある人ならわかると思います。 この下の世話の精神的負担は大変なものです。 とくに慣れないうちは。 フィリピン人の介護者としての資質の重要な部分だと思います。
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